高校を卒業後、天草を離れて45年になります。生れは、今は高速インターやリップルランド・温泉、ゴルフ場まである有明町上津浦の下津江という集落です。小中校区の一番端っこで、小学校へは野山を1時間くらい歩いて通う辺鄙な地でした。
両親はすでに他界し、実家も人に貸してあります。お墓は、裏山にある八幡様へ向かう段々畑の一角にあり、今年もお盆に帰って佇みました。海水浴場の下津江海岸から有明海、雲仙を望める風景はいつまでも飽きないのです。母は、農作業中にここから原爆のきのこ雲を見たそうです。
天草の思い出は、一人一人違っても海のある美しい風景と優しい人柄、清々しくみかんのように甘酸っぱいものでしょう。
私は3年半前から在住30年余の大野城市で市議会議員をしています。大野城市は人口10万人程、福岡市と太宰府市の間にあります。大学に入って間もなく女性解放思想に出会い、平等な社会を作りたいと活動してきました。母は父からDV・暴力を受けており性差別の理不尽さを体感していました。あらゆる場で男女平等を実現したかったのです。
今調べて、びっくりしました。天草市の市議会議員は26名、女性はゼロです! 今年の3月の選挙で、女性の立候補者がおられなかったそうです。議会は政策決定の場、人口の半分である女性たちのニーズは届くでしょうか。
大野城市議会では20人中5人が女性ですがまだまだ男社会です。子育て、教育、福祉分野が弱いことを日々痛感しています。例えば9月議会で、私は中学校での完全給食・自校方式を求めました。本市の中学校の昼食は選択制、持参弁当7割、注文デリバリー弁当2割、パン1割の現状です。小学校は自校方式完全給食です。学校給食摂取基準に基づいて、松風焼き、切り干し大根の昆布茶ナッツ炒め、さば缶五目汁、じゃこときゃべつのふりかけ、野菜ジュースとキウイのゼリーの5品目と、ごはんと牛乳、といった栄養豊かな給食です。こんな給食を育ちざかりの中学生にも食べさせたいではありませんか?
調理員さんとの交流がある、配送時間がないのは、自校方式だけ。出来たてで美味しさが全然違います。実は費用もそんなに高くない。市の厚い壁に、毎日お弁当を作っているのはほぼ女性、議会や執行部に多ければ、と悔しいです。
日本の女性の地位は悲しいほど低い。「世界経済フォーラム(ダボス会議)」による男女格差の度合いを示す「ジェンダーギャップ指数」2017年は、世界144カ国中114位です。健康と教育では高く、経済と特に政治参画が最低レベルです。地方女性議員の比率は、都道府県議で9.9%、市区町村議で12.9%、10人に一人程度です。
何とせないかん! 今年5月「政治分野での男女共同参画推進法」成立。世界で女性議員の比率を上げてきたクオータ法です。日本のは候補者数の均等が努力義務です。
3年半後には、パワフルな天草の女性がこぞって立候補を夢見ています。私も来年の選挙、頑張ります!